院長の知恵袋
熱中症2
- 2014.6.18
熱中症は死に至る恐れのある病態です。それ故に適切な応急処置というものが必要になってきます。
1. 涼しい場所(風通しのいい日陰や、できればクーラーの効いている室内など)へ移動させ安静にします。
2. 衣服を緩める、場合によっては脱がせて体内の熱の放散を促します。
3. 全身に水を浴びせる。その場合、一気に水をかけるとショックが大きいので霧吹きをかけるといいでしょう、なければ口に水を含み吹き付けても良い。
4. うちわや扇風機などで扇ぐことにより身体を冷やす。
5. 氷嚢などがあれば、首や腋の下大腿の付け根などの皮膚の直下にある動脈の集まっている部分に当てて、血液を冷やすことも有効です。氷嚢がなければ冷えた缶ジュースを当てるだけでも充分です。冷却のポイントとしては意識が回復し寒いと訴えるまで冷やさないといけないのですが、震えを起こさせてはいけません。
6. 意識がある状態ならば、水分補給を行います。大量の汗をかいている場合は塩分が不足しているので経口保水塩(食塩とブドウ糖を混合し、水で溶かしたもの)やスポーツドリンクなどが適しています。ただし胃腸の働きが弱っている場合は「吐き気を訴える」または「吐く」という症状を起こすのでこのような時は口からの水分補給は禁物です。
7. 速やかに医療機関に移送する。救急車を呼ぶことに躊躇してはいけません。自家用車、タクシーを使う場合には搬送先に事前に連絡を入れておくと良いでしょう。