院長の知恵袋
神農
- 2014.7.10
本草学とは漢方薬の材料である生薬を研究する学問です。中国において最古の本草学の本は「神農本草経」とされますが、これは神農の著作ではなく、神農が活躍したとされる紀元前2740年前よりも後の、後漢の時代にできたもので、神農の名前にあやかったものと考えられます。
では、神農とはどんな人物かというと、古代中国の皇帝で、火徳の王であったので炎帝とも呼ばれます。神農は人々に医術と農耕の術を広めた人物で中国では医薬と農業の神様として崇められています。
言い伝えによれば、神農は百草を嘗めて、毒か薬か、体を冷やすか、熱を温めるか、またどんな香り付けや味付けが良いかを調べ、そこから発見した植物の育て方を人々に伝えたと言います。それらの功績が、神農が医学の祖、そして農耕の祖とされる所以なのです。
神農の容貌は、身の丈八尺七寸の人身牛頭と言われますが、絵や像などでは、頭に短い角を生やし、長い髯を蓄えた、腰蓑をつけた男性像がよくみられます。